住まいの掃除

畳は水拭きしてよい?い草・和紙・樹脂の条件を確認

畳の水拭きを、い草・和紙・樹脂と製品ごとの案内から整理。乾拭きとの使い分け、水をこぼした場合、洗剤やスチームの可否、清掃・畳替えの相談に必要な確認点を説明します。

畳の織り目と絞った布、手入れ説明書を並べた図

畳を水拭きしてよいかは、畳表の素材と製品の指定で変わります。ふだんはほこりを取り、乾拭きを基本にする製品が多くあります。水拭きが認められていても、濡れたままにすることや、畳全体を水洗いすることまで認められたわけではありません。

い草、和紙、樹脂の違いを入口に、自宅の畳で確認する項目を整理します。飲み物をこぼしたときの対処と、定期的な拭き掃除は分けて考えましょう。

01

まず畳表の素材と商品名を調べます

見えている畳表と、その下の畳床では、水分への対応を分けて確認します。

畳の薄い畳表と厚い畳床を断面で分けて示す図
畳の薄い畳表と厚い畳床を断面で分けて示す図(説明用の生成図)

畳の表面にある、織り目が見える部分を畳表といいます。い草だけでなく、和紙を加工した物や樹脂を使った物があります。その下には厚みを支える畳床があり、表面の水拭きができる製品でも、畳全体が防水だとは判断できません。

色だけで素材を決めないようにしましょう。緑色の樹脂製品もあれば、色付きの和紙製品もあります。縁がない畳や薄い置き畳も、見た目の形だけでは素材を特定できません。購入時の明細、畳替えの記録、施工会社の仕様書などを探すと確実です。

分かっていること確認先と聞く内容
畳を注文した店が分かる畳表の商品名・素材・納品時の手入れ案内
新築時から使っている施工会社の仕様書と畳を納めた店
置き畳を購入した商品表示と取扱説明書。裏面の扱いも確認
賃貸で情報がない管理会社へ部屋と畳の写真を示して確認

資料を探すために、敷き込まれた重い畳を無理に持ち上げる必要はありません。表面全体、織り目、縁や角が分かる写真を撮り、資料が残っている窓口へ相談します。置き畳の表示を確認する場合も、商品が認める持ち方で扱いましょう。

補足

素材名だけで止めない確認

「樹脂畳です」という回答だけでなく、「商品名と、水拭き・洗剤・スチームの指定が分かる資料」を求めます。同じ分類の別商品を、使用許可の根拠にしないためです。

すでに防汚加工などを追加している場合は、その情報も残します。中古住宅では前の所有者が使った用品や加工が分からないこともあります。分からない点を埋めるために濡らして反応を見るのではなく、乾いたごみ取りから始め、条件を確かめてから拭き方を決めます。

畳の目とは、表面に並ぶ織りの方向です。掃除機や布を動かす向きの目安になるため、部屋全体で同じ向きに掃除する前に、一枚ごとの向きを見ます。市松状に敷かれた畳では、隣の畳と目の方向が異なる場合があります。

出典:全日本畳事業協同組合|畳のお手入れ / DAIKEN|ダイケン畳健やかくん(健やかおもて)のお手入れ / セキスイMIGUSA|お手入れガイド(2022年12月版)

02

水拭きの可否は、素材別の一般論より製品の案内で決めます

乾拭き、水拭き、洗剤の使用は別の項目です。一つの許可をほかへ広げません。

い草・和紙・樹脂の畳表見本とそれぞれの説明書を並べ、製品別に確認する図
い草・和紙・樹脂の畳表見本とそれぞれの説明書を並べ、製品別に確認する図(説明用の生成図)

全日本畳事業協同組合は、目に沿った日常の掃除と、余分な水分を残さない手入れを案内しています。い草の畳を拭く場合も、びしょ濡れの布で往復する方法ではありません。納品元の指定を確認し、必要以上に湿らせないことが基本です。

確認した資料の対象日常・水拭きの案内別に確認すること
一般的な畳の手入れ(全日畳)目に沿った掃除。乾拭き、または湯で固く絞った布での拭き方を案内自宅の畳の素材と納品元の指定
ダイケン畳健やかくん(健やかおもて)の案内日常は乾拭き。月1回程度、固絞りの水拭き例強くこすらないことと使用できない用品
セキスイMIGUSA水拭きができる。こぼした物は早めに取り除く汚れ別の手順と高熱を避ける条件

この表は「い草は絶対に水拭き不可」「樹脂なら何でも水洗い可」と二分するものではありません。確認した各資料の条件を比べた表です。納品元の手入れ案内と違う点がある場合は、自宅の商品の条件を確認してから選びます。

DAIKENは、健やかおもてやここち和座などに、スチームクリーナー、化学ぞうきん、ワイパーシートを使わないよう案内しています。布での水拭きができることから、湿った掃除用品全般が使えると考えないでください。

たとえば「週末に掃除する予定だが、今日飲み物をこぼした」という場合は、定期清掃の日まで待つ判断にはなりません。まず液体を取り除き、こぼした物に対応する製品の手順を確認します。手入れ頻度の数字と、汚した直後の対応を同じ予定として扱わないことがポイントです。

MIGUSAのガイドは水拭きを認めていますが、熱い物や高熱を加える扱いには注意を示しています。「樹脂だからスチームで除菌しやすい」という置き換えはできません。除菌という目的を足した場合でも、そのための用品や温度を自分で決めず、製品の案内を確認します。

用品の表示で照合する項目

  • 対象の畳の商品名が手入れ案内と一致する。
  • 水拭きと洗剤の使用可否を別々に読んだ。
  • 使える洗剤の用途・薄め方・拭き取り方が分かる。
  • シートやスチームなど、禁止された道具を避けている。

汚れが濃いから洗剤も濃くする、落ちないから力を強くする、という調整は避けましょう。DAIKENは強い摩擦で白くなる場合があると案内しています。色の変化が出たときは、さらに磨いてそろえようとせず、用品名と場所を記録して相談します。

出典:全日本畳事業協同組合|畳のお手入れ / DAIKEN|ダイケン畳健やかくん(健やかおもて)のお手入れ / DAIKEN|畳に使用できる掃除用品 / セキスイMIGUSA|お手入れガイド(2022年12月版)

03

飲み物をこぼしたら、広げずに取り除いて製品別の手入れへ進みます

こぼした物を取り除く作業と、染みや臭いを落とす作業は分けて進めます。

こぼれた液体を布で吸い取り、濡れた範囲と畳の継ぎ目を確認する図
こぼれた液体を布で吸い取り、濡れた範囲と畳の継ぎ目を確認する図(説明用の生成図)

飲み物をこぼしたときは、まず清潔な布などで表面の液体を早めに吸い取ります。周囲まで濡らして薄めようとすると、確認したい範囲が広がります。拭ける素材でも、液体を畳の縁や継ぎ目へ押し込むような扱いは避けましょう。

こぼした後の確認順

  1. 液体を取り除く

    広くこすり回さず、布のきれいな面で吸い取ります。何をこぼしたかと、おおよその範囲を控えます。

  2. 表面以外も見る

    畳の縁・継ぎ目へ回っていないか、見える範囲で確認します。重い畳を無理に外す必要はありません。

  3. 指定の仕上げをする

    水拭きや洗剤が必要な場合は、その製品の汚れ別の案内に従います。

  4. 乾いた後に確認する

    べたつき、色、臭いなどが残るかを確認し、残った場合は状態を伝えて相談します。

MIGUSAのガイドには、油を吸い取ってから薄めた中性洗剤で拭く例があります。この手順を、素材不明の畳や和紙の畳へそのまま移さないでください。こぼした物が水か油かによって案内が異なるため、用品を選ぶ前に汚れの種類も確認します。

表面に残った色だけでは、どの深さまで染み込んだかは分かりません。多量の水をこぼした、畳の下まで濡れた疑いがある、乾きにくい状態が続く場合は、畳店や管理会社へ相談します。表面をきれいに拭くことと、内部の状態を確認することを分けて考えましょう。

残った状態相談で伝える内容
べたつきや色が残るこぼした物、素材、使用した用品、対処までの時間
縁や継ぎ目まで濡れた広がった場所と量の目安、畳を動かしたか
白化や毛羽立ちが出た拭いた向き、道具、力を加えた場所
カビのような跡や臭いが続く発見時期、換気や湿気の状況、表面以外の確認が必要か

この表は、色や臭いからカビを断定するためのものではありません。消毒用アルコール、漂白剤、酢、重曹などを次々に足す前に、その畳に使えるかを確認してください。染みが見えることと、特定の薬剤で取れることは同じではありません。

片付ける際は、濡れた布や掃除用品を畳に置いたままにしないようにします。乾燥のためにアイロンや熱風を直接当てるといった方法も、自己流で追加しません。製品の乾かし方に従い、状態の変化を見て次の対処を決めます。

出典:全日本畳事業協同組合|畳のお手入れ / DAIKEN|ダイケン畳健やかくん(健やかおもて)のお手入れ / セキスイMIGUSA|お手入れガイド(2022年12月版)

04

表面清掃と畳替えを分け、対応する素材を先に伝えます

清掃で扱える汚れか、畳店による確認が必要かを決めてから料金を比べます。

畳表の清掃と表替え・新調を別の相談として示す図
畳表の清掃と表替え・新調を別の相談として示す図(説明用の生成図)

畳の清掃を依頼する際は、い草・和紙・樹脂のどれかと、分かる範囲の商品名を伝えます。「和室の掃除」というメニューでも、床のほこり取りまでなのか、畳表の汚れ取りに対応するのかは別です。畳を外す作業や、下の状態の確認まで含むかも尋ねます。

表面の汚れ取り、畳表を替える表替え、畳床を含む新調は、同じ作業ではありません。内部の濡れや大きな傷みが疑われる場合は、清掃だけで解消できると決めず、畳店へ現物確認を相談します。どの方法が必要かを、汚れの写真だけで確定することはできません。

比べる条件予約前の確認
素材と対象範囲対応できる畳か。表面、縁、畳の下のどこまでか
枚数・寸法一枚単位か面積単位か。置き畳や小さい畳の扱い
家具と畳の移動担当者、移動できない場所、別料金の有無
持ち帰りの有無当日使えるか、預ける場合の期間と運搬条件
費用の内訳税込総額、出張・駐車費、追加作業を決める手順

補足

依頼前に送る情報の例

「和紙の畳を使用しています。飲み物をこぼし、指定の方法で拭いた後もこの範囲に跡が残っています。畳表の清掃に対応するか、事前の写真で判断できない点と、当日追加料金になる条件を教えてください」と伝えます。

訪問前は座布団や小物を片付け、作業場所を空けます。大きな家具や敷き込まれた畳は、事前の取り決めなしに動かさなくて構いません。賃貸の畳を交換する場合は、注文前に管理会社へ相談し、誰が依頼するかと対象範囲を確認します。

作業後は、濡れたまま残っている所がないか、清掃前に共有した跡がどうなったか、残る跡について説明があるかを確認します。家具を戻す時期と、次に使える掃除用品も聞きましょう。畳替えを行った場合は、新しい畳表の商品名と手入れ案内を保管しておくと、次の水拭きで迷わずに済みます。

出典:DAIKEN|ダイケン畳健やかくん(健やかおもて)のお手入れ / DAIKEN|畳に使用できる掃除用品 / セキスイMIGUSA|お手入れガイド(2022年12月版)

参考にした情報

情報確認日:2026.10.22。サービス条件は変更される場合があります。